Subject: =?ISO-2022-JP?B?SzkbJEIlWSE8JTkkThsoQk9wdGVyb24bJEI4ZTdRJVcbKEI=?= =?ISO-2022-JP?B?GyRCJW0lOyVDJTUhIhsoQjIwMDUbJEJHLyRLRVA+bBsoQg==?= From: ZDNet Japan (comp) Date: 16 Oct 2003 10:27 +0900 Message-ID: <031016ne00_opteron%comp> Lines: 0 Xref: http://www.zdnet.co.jp/news/0310/16/ne00_opteron.html X-Face: &w=7iU!o,u[!-faU#$3},zAI2"E-a%!PFv%V5"(XO>a8PqU>e2!`gk'sks9B5W'f-'p3APL L--L8Y@%_e*hagUPo#-ewB4.bTxjM}+*(4\9@E1irAXc/iW"d8xA's/bf}5B/e$!0:aO5^x"eHwHi$ |!EX8'`SIP3q-Y=|<}\02|s_pK3850`Q$5l1y5ImBx|3Z|D*vbQ%UY!38ikbc/EnUU_tbHVH"9Sfk{ w>zvk!?===x`]c5_-+<@ooVVV#D~F`e0 MIME-Version: 1.0

 米AMDは6カ月前に「Opteron」プロセッサをリリースしたばかりだが、既に2005年に後継プロセッサを投入する計画を立てている。

 同社は新世代プロセッサの設計図となる「K9」アーキテクチャに「必至に取り組んでいる」と同社コンピュテーショナル製品部門CTO(最高技術責任者)フレッド・ウェバー氏は10月15日、サンノゼで開催のMicroprocessor Forumで取材に応えて語った。

 K9アーキテクチャを基盤としたプロセッサのリリース――少なくともサンプル出荷――は、2005年後半になる公算が高いとウェバー氏。AMDの技術者ランディ・アレン氏がそのプロジェクトの監督に当たっている。

 半導体メーカーは3〜4年おきに新しいアーキテクチャをリリースするが、消費電力やトランジスタサイズの縮小という点から、そのプロセスは次第に難しくなっている。2003年に登場したOpteronの基盤となっているK8アーキテクチャは、1999年にウェバー氏がMicroprocessor Forumで発表した。K8ベースのプロセッサは、当初2001年末に登場する予定だった。

 ウェバー氏は、K9の技術的な詳細は明かさなかったが、このアーキテクチャを採用したプロセッサは複数のコア(プロセッサの頭脳部分)を搭載でき、1つまたは複数のアプリケーションスレッドを実行できる可能性が高い。プロセッサに複数のコアを搭載すれば、より効率よく性能を向上させられるとウェバー氏らは同カンファレンスで語った。実際、同氏によれば、Opteronは2つ目のコアを追加できるように設計されているという。

 「当社はマルチコア製品を投入する」とウェバー氏。

 AMDはまた、将来版のプロセッサにマルチスレッディング機能を搭載することを検討している。同時マルチスレッディングによって、基本的に1つのプロセッサで2つのアプリケーションを実行するか、あるいは同じアプリケーションの2つの「スレッド」を実行することが可能になる。これはタスク処理に要する時間の短縮につながる。しかしこの機能では、マルチコア技術ほどの全体的な性能向上が実現されないとウェバー氏は説明している。

 向こう数年間に登場するプロセッサのほとんどには、マルチゲート型トランジスタ歪みシリコンなど、多数の新しい素材や構造が採用されるだろうとアナリストは語っている。

x86の広がり

 これとは別にMicroprocessor Forumの基調講演で、ウェバー氏は「コンピュータ、PDA、携帯電話などのデバイスのほとんどに、x86アーキテクチャベースのプロセッサが搭載されるようになる」というコンピューティングの未来像を語った。x86アーキテクチャは、Intel、AMD、そのほか数社の小規模メーカーが製造しているプロセッサの中核となっている。K8、K9、IntelのNetBurstアーキテクチャはx86から派生したものだ。

 x86台頭の理由は、その歴史にあるとウェバー氏。ほとんどのソフトは、最古のマイクロプロセッサアーキテクチャであるx86をベースにしたプロセッサ向けに書かれている。x86プロセッサはバラエティーも豊かだ。

 「x86プロセッサがすべてのフォームファクタに進出するにふさわしい時だ。x86はデスクトップでの独走態勢から、ソフトの大多数を握るまでに成長した」とウェバー氏は主張する。

 これに対して、Sun Microsystems、IBM、Hewlett-Packard(HP)、ARMのプロセッサの基盤となるRISCアーキテクチャは、x86ほどには広がっていない。全体的な販売トレンドがこれを裏付けている。アナリストによると、RISCサーバはかつて市場の支柱だったが、現在は販売台数ベースでのシェアは約12%、売上高ベースでのシェアは半分を割っている。しかし、携帯電話では依然としてRISCが優勢だ。

 いろいろな意味でパルチザン的なウェバー氏の講演は、SunのCTO、グレッグ・パパドポラス氏が前日に同じカンファレンスで行ったエネルギッシュな基調講演とは補完的・対照的な内容だった。パパドポラス氏は、マイクロプロセッサは「死に」、1枚のシリコンチップ上に完全なコンピュータを実現するマイクロシステムで置き換えられると語った(10月15日の記事参照)。こうしたマイクロシステムが、ネットワークを介してデータを交換するという。

 ウェバー氏は、今後もより多くの機能がマイクロプロセッサに加えられていくという点には同意したが、マイクロプロセッサないしはマイクロシステム(機能的には同じものだ)は同じ言葉を話す必要があり、その言葉となるのがx86だと語った。

 RISCやその他のアーキテクチャ上でも動作するようソフトを移植すれば、多額の費用が失われるとウェバー氏は指摘する。企業が多数の従業員にRISCベースのPDAを支給するといったRISC関連プロジェクトは、失敗に終わることが多い。その原因となるのがソフトの互換性問題だ。

 「移植というのはアプリケーションの移植だけではない。OS、ツール、ドライバ、コーデックスも移植するのだ。これがうまくいかないのは明白だ」(同氏)

 ウェバー氏はたとえ話として、欧州で統一通貨が登場する前、欧州人は通貨の両替に年間360億ドル(1人当たり90ドル)費やしていたことを挙げた。

 同氏によると、x86アーキテクチャの構造について、長い時間を経て複雑になってきたとの批判もよく聞かれるという。

 「私はx86バロックアーキテクチャと呼んでいる。見かけ倒しの装飾的な要素もたくさんあるが、結局はかなり構造化されている。必ずしも一からプロセッサを開発する場合に選ばれるような命令セットではないが、間違っているというわけでもない」(同氏)

 ウェバー氏はほかのカンファレンス参加者と同様に、半導体設計者は取り組むべき問題をたくさん抱えていると語った。プロセッサは複数のコアを搭載し、それぞれのコアが複数のアプリケーションスレッドを同時に実行するようになると同氏は見ている。電力消費やメモリレイテンシ(メモリからデータを取り出すのにかかる時間)はこれからも大きなボトルネックとなるだろう、

 「われわれはメモリの壁にぶつかっている」と同氏。

 しかし、これらの問題は克服できないわけではない。「チップに集積されるトランジスタの数は2年おきに倍増する」というムーアの法則の寿命はまだ長いと同氏は話す。設計者はトランジスタを重ねることにより、その集積数を増やし続けるだろう。

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