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`Nnshimbun' は Gnus のバックエンドです。しかしながら、例外的 に Gnus ではなくて emacs-w3m とともに配布されています。 `Nnshimbun' は Gnus を並外れて便利なウェブブラウザにすることができ ます。すべての広告に煩わされずに新聞社のウェブサーバで記事を拾い読みする ことができます。メーリングリストの記事アーカイブを、そのリストに講読登録 しているように読むことができます。掲示板の書き込みも読むことができます。 等々... でも Gnus は `nnshimbun' でウェブを介した投稿ができないので、 フォローしたいときは emacs-w3m を使わなければいけないことに注意して下さ い。
さらに emacs-w3m で HTML メッセージを整形するには 6.1 Gnus で HTML メールを読む も参照して 下さい。T-gnus か Nana-gnus 用には、代わりに 6.3 SEMI MUA で HTML メールを読む を見て下さ い。
`Nnshimbun' を始めるための一番簡単な方法は、グループバッファで以下 のようなことをすることです:
M-x gnus-group-make-shimbun-group RET asahi RET national RET
`asahi' と `national' は、接続したいサーバーに対応したキーワー ドと興味のあるグループに、それぞれ置き換えて下さい。 TAB か SPC をタイプすることによって、それらの名前を両方とも 補完することができます。
もし gnus-group-mode-map
に十分な空きがあるならば、以下のようなも
のを `~/.gnus.el' ファイルに加えて下さい (T-gnus にはこれと同様のも
のがすでにあるので、わざわざ追加する必要はありません):
(eval-after-load "gnus-group" '(define-key gnus-group-mode-map "Gn" 'gnus-group-make-shimbun-group)) |
すると、M-x gnus-group-make-shimbun-group の代わりに G n を 使うことができます。
誰かこのキーを Gnus タワーに予約してくれませんか?
`Nnshimbun' は単にウェブサーバから HTML コンテンツを取り寄せて、そ れを記事として表示しますが、永続記 事 ( `Persistent Articles' in The Gnus Manual) を作る場合を除いて、ローカルファイルに記事をセーブすることはあ りません。`Nnshimbun' は NOV ファイルを、それぞれ の `nnshimbun' グループで使います。そのバックエンド は `nnml' とほぼ同じです。
以下の `nnshimbun' に関する変数をカスタマイズすることが可能です:
nnshimbun-keep-backlog
gnus-keep-backlog
変
数 ( `Article Backlog' in The Gnus Manual) を
上書きします。もし nnshimbun-keep-backlog
を数字 n に設定す
ると、`nnshimbun' は最大で n の古い記事を後の再取得のためにバッ
ファに溜めておきます。この変数が nil
ではなく、数字でもない場合、
`nnshimbun' は 全て の既読記事を蓄えます (これは良い考えでは
ありません)。デフォルト値は 300 です。
`Nnshimbun' はあらかじめ取得した (prefetched) 記事の保存
に backlog を使うので、小さすぎる値は prefetch-articles
機能 (下
記参照) を損なうかもしれないことに注意して下さい。
nnshimbun-directory
`Nnshimbun' は Gnus が提供する標準のグループパラメー
タ(8) に加えて、`nnshimbun' 専用に設けられたグループパラメー
タを利用することができます。複数の `nnshimbun' 用のパラメータ
が nnshimbun-group-parameters
という単一のグループパラメータ (す
べてのグループで違う値を持つことができる) にまとめられています。それはプ
ロパティリストで、例えば次のような値です:
'(index-range all prefetch-articles off encapsulate-images on expiry-wait 6) |
以降はこれらのグループパラメータと、関連する変数の説明です。
prefetch-articles
off
または nil
以外の何かに設定さ
れているグループでは、`nnshimbun' は新しい記事を探すだけではなく、
それらの記事のダウンロードも行います。これは新しい記事の検索を遅くします
が、記事を閲覧するときに待たされません。このグループパラメータが設定され
ていないか、その値が nil
になっているグループでは、代わりに変
数 nnshimbun-pre-fetch-article
の値 (デフォルトは off
) が
使われます。
encapsulate-images
off
または nil
以外の何かに設定さ
れているグループでは、`nnshimbun' は元の記事に埋め込まれている画像
データを MIME の `multipart/related' パートとして記事にはめ込みます。
このグループパラメータが設定されていないか、その値が nil
になって
いるグループでは、代わりに変数 nnshimbun-encapsulate-images
の値
が使われます。この変数 nnshimbun-encapsulate-images
のデフォルト
値は、`shimbun' ライブラリによって提供される変
数 shimbun-encapsulate-images
の値です (たぶんデフォルト値
は t
です)。
index-range
index-range
で、ウェブサーバーから取得される記
事の範囲を指定することができます。範囲の指定には以下の値を使って下さい:
nil
all
last
`Nnshimbun' はサーバー上に存在する目次ページを解析して新しい記事の 有無を調べます。サーバーによってはそのような目次ページが複数存在する場合 があります。例えば、メーリングリストの記事を提供しているサーバーの場合は、 その記事が投稿された日付によって分類された目次になっていることが一般的で す。特に遅い回線を利用している時に、それらすべての巨大な目次を調べるには、 相当な時間がかかるでしょう。
`Nnshimbun' は前回の接続時に調べた目次については、なるべく調べずに
済ませるようになっています。更に時間を節約したい場合は last
を使っ
て下さい。これは `nnshimbun' に、最新の目次だけを参照して新しい記事
の検査を行なわせます。
グループパラメータ index-range
が設定されていないか、値
が nil
になっているグループでは、変
数 nnshimbun-index-range
の値 (デフォルトは nil
) が使われ
ます。
nnshimbun-group-parameters-alist
nil
です。各々の要素
は `(REGEXP KEYWORD VALUE KEYWORD VALUE...)' の形式を持ちます。例え
ば:
'("^nnshimbun\\+asahi:" index-range all prefetch-articles off encapsulate-images on expiry-wait 6) |
似た名前を持つ (すなわち、互いに似た性格を持っていそうな) 複数のグループ に対して同じ `nnshimbun' グループパラメータを指定することができるの で、個々のグループに対してそれぞれグループパラメータを設定する代わりに使 うことができて便利です。もしグループですでにグループパラメータの設定が行 なわれていた場合は、この変数よりもそちらが優先されます。
`Nnshimbun' には記事の期限切れ消去を行なわせることができま
す(9) を参照して下さい。
expiry-wait
グループパラメータが設定されていないグループでは、デ
フォルトの値が適用されます。}。記事が期限切れ消去されると言っても、それ
が遠隔サーバーから削除されるわけではなく、それはずっとそこから取得可能で
あることを覚えておいて下さい。消えるのはあなた自身の `nnshimbun' 用
の NOV ファイル(10) の、
消去される記事に該当する行です。それによってその記事は二度と概略バッファ
に現れなくなります。
`Nnshimbun' グループで記事の期限切れ消去を行なわない と NOV ファイルが際限無く太り続け、非常に古い記事があたかも存 在しているように見えるかもしれません (実際には、それらは新聞社のサーバー で三年前に期限切れ消去されてしまっているかもしれない!)。それを読もうとし ても記事バッファには何も現れないでしょう。一方、メーリングリストの記事を 提供しているたいていのサーバーは、一般的に過去の全記事を提供しています。 憂愁の彼方に去りし古き良き時代に、あなたが興じた記事を懐かしくうるうるし て読み返すことができるように、そういうグループでは期限切れ消去はさせたく ないと思うかもしれません。
他のメールバックエンドと同様に、`nnshimbun' のグループ毎に記事に自 動期限切れ消去の印を付けて、残しておく期間を設定することができます。ただ し `nnshimbun' バックエンドと他のメールバックエンドには、少し違いが あります:
expiry-wait
グループパラメータの値。
nnmail-expiry-wait-function
を評価
することによって得られた値。
nnmail-expiry-wait
の値。
第二に、変数 nnmail-expiry-wait-function
によって設定される関数に
与えられる引数に、"nnshimbun+asahi:national" のようにバックエンドとサー
バーの名前が含まれることです。他のメールバックエンドの場合にはグループ名
だけが与えられるのに、です。例を挙げましょう:
(setq nnmail-expiry-wait-function (lambda (group) (cond ((string-equal group "ding") 7) ((string-equal group "nnshimbun+ding:ding") 'never)))) |
これは、同じ ding メーリングリスト用に二つのグループがあることを意味しま す: 一つはリストのメンバーとして講読登録しています。もう一つは Gnus タワー のメーリングリストアーカイブから読むためのものです。どうです、なかなか賢 いでしょ? "ding" グループのローカルなメールファイルは七日で期限切れ消 去され、ローカルディスクの容量が節約されます。しかし二つ目のグループでは、 前世紀の記事でさえ読むことができます (それが本当に必要ならば、ですが)。
第三に、これはあなたに疑念が沸いたときに思い出すことができるように書き留 められています: `nnshimbun' グループのすべての記事が期限切れ消去さ れるべきときでも、最新の一通だけは消さずに残しておきます。これはあなたの 未練心を満足させるためではなく、次回にこのグループの新しい記事を取得しよ うとしたときに、`nnshimbun' がどこから始めるかを知って、すべての記 事を取得し直さないようにするためです。
`Nnshimbun' の期限切れ消去に関係するグループパラメータと変数は以下 の通りです:
expiry-wait
expiry-wait
グループパラメータ
が `nnshimbun' 専用に作られたグループパラメー
タ nnshimbun-group-parameters
の要素の一つとして提供されます。そ
れは標準のグループパラメータと同じ名前を持ち、意味も同じです。あなたはど
ちらを使っても構いません。もし `nnshimbun' 専用のもの
が nil
以外の値に設定されると、標準のものよりも優先されます。これ
は `nnshimbun' に関係するものを "Gnus Customize" バッファ (グルー
プバッファで G c をタイプすると現れる) の一箇所に集めるためと、変
数 nnshimbun-group-parameters-alist
で一括して管理できるようにす
ることを目的に用意したものです(11)。設定できる
値は標準のグループパラメータと同様に、時限消去の日数、never
また
は immediate
です。
nnshimbun-keep-unparsable-dated-articles
nil
でない場合は、作成された (または到着した) 時刻
がわからない記事は期限切れ消去されません。なにしろどのくらい古いのかわか
らないんですから。デフォルト値は t
です。nil
に設定すると、
期限切れ消去の処理が行なわれるときに、期限がわからない記事でも無条件で消
されてしまいます。まあ、年の暮れの大掃除の役には立つことが判明するかもし
れません。
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